夜も更けて汗ばむ肌に風が涼しく感じられる頃、
わたしは家を抜け出して、思い切って空に出てみた。
風が体を軽々を押し上げていく。
ずんずんと昇っていくので、覚悟を決めた。
そうすると、わたしは一気に上空へと舞い上がっていた。
どの家からも光が漏れて、宝石箱のように輝いている。
そのひとつひとつの家に、人が住み、暮らしている。
どの暮らしをとっても同じものはなく、それでいて家々は互いにくっつきあってひとつの大きな町をつくっているのだった。
なつかしいようないとおしいような切なく甘い想いが胸をふさいだ。
雲をすり抜け満天の星空へと放り出された。
音も風も時間も止まった。
地球と月と太陽と星と宇宙空間。
わたしの中の35億年の生命の遺伝子が一斉に歌い始める。
私はその60兆の歌を陶然と聞く。
60兆の星と響きあってこだまする。
150億年目の新たなお祭りの始まり。
あなたはどんな家で寝ているのでしょう。
taoさんの
ひとりごと
きこえました
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