2005年10月刊行されたフランス社会党政権首相副長官、大手国有金融機関CEO,クレディ・リヨネ銀行会長兼CEOによる著書からの一節。
「一般に考えたれているよりも早い時期に、アメリカは債務返済問題に端を発する金融危機に遭遇し、資本主義がもたらす世界統一ルールの遵守を迫られるであろう。そのとき、世界を支配する資本力は、完全に正体不明となるであろう。」
収「益性の追求の過程において、国家自体も大きく自治・統治権を失った。国家の統治する領土は、各国が移動する資本を誘致しあう場所と化した。」
「これは、顔の見えない全体主義の脅威であり、際限のない個人の蓄財という夢が勝利した実現不可能なパラダイムの脅威である。」
単純な論理だ。
企業は、株式市場から資金を調達するために株主へのリターンを最大化することを最優先する。そうしないと機関投資家によって淘汰されてしまう。
期間投資家も淘汰されないために、ひたすらリターン最大化のために活動する。
株主は、キャピタルゲインを最大化するために活動する。
その結果、金融資本が利益を求めて世界中を自由に動く。
それに対してだれも何もできない。
「個人的利益追求」という集合的無意識が私たちに襲い掛かり、暴れまわる。