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お金って何だろう

世界連邦21Cフォーラムの会報誌用に書いた「お金」についての原稿です。http://www.wfmjapan.com/


 


お金について考えると、疑問ばかりが出てきて、よくわからないのだけれど、それをそのままみなさんと情報共有することで、お金について理解が進むことを期待します。


●まずはフレデリック・ソディFrederic Soddyのこと。
 原子崩壊に関する研究でノーベル化学賞を1921年に受賞したオクスフォード大学のフレデリック・ソディは、原子力エネルギーの可能性を世にさきがけてに理解し、1926年に出版された著書に「もし(原子力エネルギーが)既存の経済状態の支配下に置かれるならば….(人類が)即時的に全滅することを意味するだろう」と書いた。ソディは、人類が手に入れた強大な科学的知識・技術によって自滅しないためには、既存の経済制度を根本的に改めるしかないこと、世界の真に深刻な問題は誤った経済学にあることを確信し、人生の後半を経済学の研究に費やした。
 ソディは、お金に注目した。
 実際の富は、物理的なモノ(食べ物、服、)であったり、エネルギー(石油、電気など)であり、それらは物理的存在であり、必ず熱力学的法則に従う。つまり時間と共に必ず劣化する。永遠に保存することはできない。食べ物は腐り、鉄は腐食し、ガソリンは燃焼させるともう使えないし、服は綻び、電化製品は壊れる。
 それに対して、お金は、物理的な実態ではないので、物理法則には従わず、数学的な法則にしたがう。つまり、時間によって劣化せず、永遠に存続し、複利によって幾何級数的に無限に増えることができる。
 この有限であり、劣化する実際の富と、利息という人間が決めた数学的なルールで永遠に増え続けるお金のギャップが広がりすぎたとき、必ず破産、倒産、恐慌という経済的な破綻が起こる。
 さて、ソディの原書を読んだ人によると、通貨流通量をコントロールできる中央銀行が、原理的に経済の好不況をコントロールできるということも指摘しているそうですが、直接ソディを読んでいないので、その辺りのソディのロジックは理解できていないです。


参考文献 ハーマン・E・デイリー『持続可能な発展の経済学』第12章フレデリック・ソディの経済思想


Frederic Soddy  Wealth Virtual Wealth and Debt


 http://abob.libs.uga.edu/bobk/wvwd/


 


●信用創造 お金がどうやって生まれるのか。
 銀行は、預金を原資に何倍かの貸付が出来る。これを銀行の信用創造というのだそうだ。これによって、市中に出回るお金の量、マネーサプライが増えるのだそうだ。
 とすると、素人的に単純な疑問が湧いてくる。銀行がだれかに金を貸し付けることでお金が生まれるとするなら、必ず利息がつくはずだが、利息分のお金はどうなっているのか。 つまり、銀行から生み出されたお金は必ず利息付の貸付金だとするなら、世の中のお金はいつも利息分だけ足りない状態で存在するのではないか。例えば、世の中に100のお金が、利息年利10%で銀行から貸付られて増えたとする。とすると、来年までに110のお金を返さなくてはならないのだが、10の利息分にあたるお金はどこにも存在しない。 銀行以外の企業、個人は、富を生み出すことは出来ても、お金自体を創ることは出来ない。上の例でいえば、10の利息分にあたるお金の返済は、銀行が更に利息付でだれかに貸し付けるか、あるいはだれかが利息分を払えないで倒産、自己破産などするしかない。
 つまり、負債としてお金が創造されるという現行のマネーシステムという制度の中で、私たちはいつも原理的に利息分足りないお金をめぐって、椅子取りゲームのようにお互いに足りない椅子の奪い合いをしなくてはならない状態に否応なしに放り込まれているのではないのだろうか。
 そして銀行の大元は、もちろん各国で唯一通貨発行権を持っている中央銀行で、日本では日銀だ。他の銀行は倒産しても、日銀は倒産しない。ですよね。


 人類全体として飛躍的な生産力を持つに至っているのに、働けど働けどわが暮らし楽にならざりという世界の現状はこのマネー制度にあるのではないかと、ずっともやもやもやもや疑っている。例えば、失業者が増えたというのは、それほど人が働く必要がないということで、本来なら、その分、人類は労働から解放されてしかるべきなのに失業という形になるのは、いまの経済の現状が根本的におかしい証拠だと思うのだが、この辺も現行のマネーシステムが原因ではないかと思って、そこをなんとか突き止めたいと悶々としている。
 グローバルな時代になって、お金がますます自由に世界を動き回るようになって来ると、世界中の人たちで一斉に椅子取りゲームをするわけだから、お金を巡っての奪い合いは当然ますます苛烈になってくる。それがまさにいまの世界の有様ではないのだろうか。
 ベルナルド・リエター『マネー崩壊―新しいコミュニティ通貨の誕生』とか、エドワード・グリフィン著『マネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システム』とか、リチャード・ヴェルナー著『円の支配者』『虚構の終焉』などを読んだり、Youtubeで見れる「Zeit Guist」などを観ると、お金を唯一コントロールできる世界の中央銀行が、バブルと恐慌を意図的に繰り返し起こしながら、世界経済に対してその支配力をどんどん大きくしているようにも思えてしまう。
 
 ついでにお金に関して感じている他の疑問点についても書いておこう。
 よくバブルがはじけるというけれど、その時、お金はどうなっているのだろうか。お金はどうやって消えるのだろうか。つまりお金は、ソディもいうように、実体のない数字で、ぼくが知る限り、信用創造によってお金は生み出され、それが利子によって増えていくルールは決められているけど、そうやって生まれたお金を消すことはどうやって可能なのかが疑問だ。例えば、銀行が貸し付けていたお金が不良債権化して、銀行が倒産したとき、銀行からお金は消えたように見えるが、それは単に銀行にお金が戻ってこなかっただけで、銀行が貸したお金は別のところに流通しているので消えてはいないのではないか。土地バブル、株式バブルがはじけて、お金が消えたように見えるのも、単にそこに流れ込んでいたお金がそこに流れ込まなくなっただけで、その消えたように見えるお金はどこかにいっただけではないのか。
 とすると、本当にお金を消すためには、かつて日本政府が戦後にやったように銀行封鎖とかそういう方法しかないのだろうか。とすると、いまの100年ぶりの大不況で、信用収縮が起きているというけれど、本当にお金は消えたのだろうか、と疑ったりもする。
 お金についてわからないことだらけである。
 新しい、それこそ世界連邦にふさわしい貨幣制度とはどういうものなのか、ぼくがここに書いたことは経済ど素人が恣意的に集めた情報による片寄った見方なので、経済のプロの方々とオープンに議論し、より客観的な理解を深めたいのですが、まずはいまの様々な疑問点を解消したいというのが切実な思いです。

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