ビル・トッテン
「アングロサクソン資本主義の正体 ―「100%マネー」で日本経済は復活する」
信用創造という方法で、銀行が自己資金以上のお金を無か創りだしている現在の制度が、いまの経済の根本問題であることが分かりやすく説明されている。
民間企業である銀行が勝手にお金を創りだせる現状の制度を止めて、国が責任を持ってお金の供給量を調整する。
銀行は、集めた預金額以上の貸し出しはできない=100%マネー。
これによって、日本の経済は復活するというビル・トッテン氏の説明は、とても合理的である。それに比べて、現状の制度の方がよほど非合理である。
そのほかにも、投機目的の為替取引への課税(トービン税)の導入や、アメリカへの貸付(アメリカ国債の購入)がドル建てから円建てにすること。あるいは政府が最後の雇用提供をすることで完全雇用を実現することなど、どれも説得的で、効果の高い政策の提言もしている。
わかりやすく書かれているので、現状の経済について、素朴に何かおかしいと感じている人には、是非読んでもらいたいと思います。
なぜおかしいのかの理由がはっきりわかると同時に、どうすれば、みんなが豊かになる新しい経済の姿も見えてきます。