先日スイスで、ベーシックインカムの国民投票が行われましたが、今度は民間銀行の「信用創造」の是非を問う国民投票が行われるようです。
https://www.rt.com/business/327118-switzerland-money-banking-referendum/#.WCUyeegJkdU.facebook
イギリスでも貨幣は公共財であり、民間銀行が発行するべきではないという運動が、メジャーメディアでも取り上げられるようになって来ているそうです。
山口薫『公共貨幣』という本も出ているようです。
https://www.amazon.co.jp/dp/4492654747
現在のお金は「信用創造」という銀行にだけ許されている権利で民間銀行は、無からお金を帳簿上に作り出して、それに利子をつけて貸出すことで造られます。民間銀行ですから、利益を得る目的で勝手にお金を創造するので、バブルが起きたり、また回収がうまくいかなくてバブルが弾けたりします。
銀行はバブルが膨れ上がっているときの利益はしっかりと手に入れますが、バブルが弾けた時は、銀行ではなく国民が「金融安定のため」という名目で税金で穴埋めをさせられます。
極言すれば、現在の金融は民間銀行の博打です。しかも銀行が勝っている時は銀行が儲けて、博打に失敗すると関係のない我々国民がそのツケを「公的資金投入」というそれっぽい名前で払わされています。
スイスではそれはあまりにひどいから止めよう、止めて 本当に必要なところにお金が流れるように民間銀行に任せるのではなく公的に貨幣の流通、投資を行おうという国民投票が行われることになったのです。
利子付きの負債として生まれている貨幣ではなく公共の財である公共貨幣は、貨幣の量を公共の目的に沿ってコントロールすることで現在の格差をひたすら拡大させる持続不可能な制度的原因は取り除くことができます。
いまの格差、貧困問題や環境破壊問題はを本気で解決しようとするならば、個々人の良心に訴えるだけでは無理です。その根本原因、民間銀行が利子をつけてお金を貸出すことでお金が生まれるという制度を変えなければ、いまの経済システムは個々人の意思とは関係なく地球を破壊し尽くすまで拡大を止められないのです。
さらに公共貨幣によってベーシックインカムを配布することで生存のためにガムシャラに働かなくてはならないという個人的原因も取り除くことができます。ベーシックインカムで人はサバイバルの恐怖から解放されます。
経済制度的原因と個人的なサバイバルの必要性が取り除かれることで、私たちは自然と調和し、お互いに争わないで安心して暮らせる基盤を作り出すことができます。
その土台の上で、どのような未来社会を意図的に設計するかという話し合いも余裕を持ってできるようになります。
この時、エネルギー単位を指標とするようなエネルギーと資源に基づき、さらに市場メカニズムにAIを加え、地球と人類に最適化した新しい経済も生まれてくるのでしょう。
人類の新しい冒険が始まるステージへと向かうことができます。