私とは何か。
なぜこの問いが人生において最も重要な問いなのか。
それは私たちの人生の根本を支えるものでありながら、ほとんど見落とされていることに焦点を向ける問いであるから。
私たちの人生は経験から成り立っており、その経験者が私と呼ばれるものである。つまり人生は私によって成り立っている。
だから私の性質が人生の性質そのものである。
それはどういうことか。私たちは私、すなわち自分を心と体だと思っており、その心と体を持った自分が世界の中で経験をしていると思っている。それが自分の人生だと思っている。
しかしそれは本当なのだろうか。
そしてさらに踏み込めば、心と体が自分であるという思いが、人生における個人的問題から始まり、人間関係の問題、社会問題、国際問題、そして環境破壊などの地球的規模の問題に至るまで全ての問題の根本原因であるのでないのだろうか。
それらの問題意識が、私とは何かという問いを最重要な問いにする。