「除草剤耐性の組み換え遺伝子を使うと、雑草駆除に失敗し、その代わり、「超雑草」を作りだしてしまうリスクを負っている。これと同じように、害虫耐性を持つ遺伝子組み換え作物を使うことも、害虫駆除に失敗し、そのかわり、「超害虫」を作り出してしまう危険をはらんでいる。
ここに示した遺伝子組み換え綿の失敗例は、知的所有権が農業を改善すると言う過程は常に成り立つとは限らないことを示している。そのかわり、私たちが見てきたものは、社会一般に対する、特に農家に対する社会的、生態的損失である。生態系に大混乱をもたらしている農作物品種に知的所有権を認める事は、利潤の完全な私有化と損失の完全な社会化をもたらす不正な社会システムであると言わねばならない。」
ヴァンダナ・シヴァ『バイオパイラシー グローバル化による生命と文化の略奪』