「従来のエネルギー企業や公益企業は、中央集中化した権力構造のまさに典型であり、そのような構造が世界に押し付けてきたあらゆる弊害を象徴していると感じる若者が次第に増えている。団結し開かれた協同型で民主的に管理される協同組合を結成して、クリーンなグリーンエネルギーを生産しシェアすることにより、そうした弊害が取り除けると言う見通しは、大きな力を与えてくれる。それは持続可能性の旗印の下に結集するよう、1つの世代を駆り立てている。コミニケーションへのフリーアクセスを求める運動に、今やフリーグリーンエネルギーを求める声が加わろうとしている。
コミニュケーション・インターネットとエネルギー・インターネットと輸送インターネットがもたらす類のコスト面の恩恵は、各社が独自に活動する純然たる市場経済ではとうてい実現できない。いかに野心的な企業であろうとも、ネットワークされた水平展開型のコモンズに加わることで得られるものに匹敵する効率や生産性の向上を達成できるほどの合併や買収に従事することなど望むべくもない。
コミュニケーション・インターネット、エネルギー・インターネット、輸送インターネットが1つになってIOT(Internet Of Things)を形成すれば、相互接続して社会全体に広がるグローバル・コモンズとして全人類を統合するための認知神経系と物理的手段が揃う。スマートな都市、スマートな地域、スマートな大陸、スマートな惑星を語るとき、私たちが意味するのが、まさにこうした環境だ。
第一次・第二次産業革命が生んだ古い体制は、莫大な資本を要するコミニケーション/エネルギー/輸送インフラに頼っており、そのため規模の経済を達成すべく中央集中化した色・統制の下に垂直統合型の企業と言う形で構成するしかなかった。そして資本主義体制と市場の仕組みが、そのパラダイムを推進する最高の精度的ルールだった。だが、第三次産業革命における新体制は性質が大きく異なる。この体制は、それじゃの体制と比べると、金融資本はそれほどいらないが、より多くの社会関係資本を必要とし、垂直ではなく水平に展開し、厳密に資本主義的な市場の仕組み夜よりむしろコモンズ方式の管理で最もうまく機能する。社会は、開かれた、分散型・共同方で、ネットワーク化された形態をとるべく設計される度合いが次第に増していくだろう。これはつまり、資本主義市場がこのまま生き残れるかどうかは、そうした社会体制に新たな効率性や生産性が見つかる世界で、価値を見出せるか否かにかかっていると言うことだ。旧体制が資本主義市場における自己利益の自主的追求をよしとするなら、出現しつつある新体制はネットワーク化されたコモンズにおける密接な協同関係をよしとする。きたるべき時代には、社会の経済生活を構成するために政府と民間部門との2者間で長年結ばれてきた協力関係が3者間の協力関係に道を譲り、コモンズ方式の管理が政府と市場の力に補完されつつ、次第に大きな役割を果たすようになるだろう。」