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地球上の人口を安定させるには、電気へのアクセスがカギとなることがわかり始めている。
20世紀に入ってヨーロッパやアメリカを始めとする国々で女性を解放したのは、電力だった。
先進工業国の出生率は人口維持に必要な、女性一人当たり2.1人以下に落ちている。世界の豊かな国々ではどこでも、人口は急激に減少してきた。目標は、2030年までに誰もが電力を利用できるようにすることだ。地球上のあらゆるコミュニティーに電力が供給されれば、世界の貧しい人々が貧困から抜け出し、万人がまともな生活の質を保てる程度の快適さを手に入れるための弾みとなる。
電力へのユニバーサル・アクセスを実現する活動が進展していけば、電化によって国民が赤貧から救われた他の全ての国々と同じように、最貧国における人口の急増に歯止めがかかるだろう。今世紀半ばには、右肩下がりの出生率は世界各地で1世帯当たり2.1人に近づいて、穏やかな人口逓減の始まりを告げ、最終的に世界の総人口は50億人にまで減少する可能性が高い。この数字であれば間違いなく、人類は生態系の利息で暮らし、潤沢さの経済を享受していける。